確定申告で還付金を受け取る方法

「確定申告をしたら還付金が受け取れることがある」という話を聞いたことがある方も多いかもしれません。

日本の税法では「源泉徴収制度」というルールがあり、あらかじめ概算で差し引きされていた税金の金額と、年末になってわかる「正確な税金の金額」との間にずれが生じることがあるのです。

もし「概算で差し引きされた税額>正確な税額」となっているときには、税金がとられすぎてしまっていることになります。

もちろんとられすぎていた税金は負担する必要がありませんので、「還付金」という形で国からお金を返してもらうことができるのです。

ただし、この還付金を受け取るためには、多くの場合は確定申告を行わなくてはなりません。

もしあなたが法律上は還付金を受け取る状況だったとしても、確定申告を行わない限り国が自動的に還付金を支払ってくれるということはありません。

つまり、確定申告というのは要するに「正確な税額」を計算して国に報告するための手続きのことです。

ここでは還付金を受け取れるケースを想定して確定申告の方法について解説させていただきます。

◎還付金が受け取れるケース

・住宅ローン控除で還付金が受け取れるケース
マイホームを購入するために住宅ローンを組んだ場合、所得税の金額を大幅に減額してもらうことができます。

具体的には、年末に残っている住宅ローンの金額の1%の金額がそのまま所得税から差し引きされると考えておくと良いです(実際の計算はもう少し複雑です)

例えば、3000万円の住宅ローンが年末に残っている人の場合であれば、3000万円×1%=30万円だけ所得税を減額してもらうことができます。

かなり年収の多い人でない限り所得税は30万円を超えることはありませんから、多くの人の場合は住宅ローン控除を利用すれば所得税の金額は0円とすることができます。

還付になるケースとしては、サラリーマンの人で毎月のお給料から天引きされている所得税(源泉所得税)の1年分を還付してもらうことが可能です。

住宅ローン控除の適用を受けるためには、マイホームを購入したその年分のみ確定申告が必要です。

その年以降の分についてはこれまで通り勤務先の企業に年末調整をしてもらえばOKなので、「マイホームを購入した年の分だけ確定申告が必要」と理解しておきましょう。

・医療費控除で還付金が受け取れるケース
医療費を年間10万円以上支払っている人の場合、医療費控除という制度を利用することができます。

医療費控除によって減額してもらうことのできる税金の金額は、以下の計算式で求めることができます。

(1年間の医療費 – 受け取った保険金の金額 – 10万円)×所得税率

「受け取った保険金の金額」というのは、例えば生命保険会社の医療保険などによって受け取った保険金のことをいいます。

また、所得税率は所得の金額によって異なります。所得税率は所得の多い人ほど高くなっており、2016年分の所得税率で言えば5%〜45%です。

・「本来の所得税額」を低く抑えるために、控除をしっかり活用する
還付金は「概算で支払った所得税額」と「本来の所得税額」の差額を返してもらう仕組みのことですから、本来の所得税額を少しでも低く抑えることができれば、その分たくさんの還付金がもどってくることになります。

例えば、概算で支払った所得税額の合計額が10万円、本来の所得税額が6万円という場合には4万円が還付金として返ってくることになりますが、本来の所得税額が3万円であれば7万円が還付金として返ってくるというわけですね。

本来の所得税額を少しでも低く抑えるためには、各種の「控除(こうじょ)」を上手に利用するようにしましょう。

具体的には将来的に年金として受け取ることのできる社会保険料(国民年金や厚生年金)を多めに支払っておいたり、小規模企業共済や生命保険といった貯金に近い性質を持った商品の掛け金を支払っておくなどの方法があります。

これらの支払額のうち一定額(社会保険料や小規模綺語共済掛金については全額)は「所得控除(しょとくこうじょ)」として所得の金額から差し引きしてもらうことができます。

所得控除によって所得の金額を低く抑えることができれば、還付金を受け取れるケースではより多くの金額を返してもらうことが可能になりますよ。


<まとめ>
以上、所得税の還付金が発生する代表的なケースと、実際に還付金を受け取るために必要な確定申告の手続き方法について解説させていただきました。

還付金はあなた自身が確定申告を行うことによって、国に対して「お金を返してください」と意思表示しないと返ってくることはありません。

還付の申告期限は還付金が発生した年の翌年から5年間と長く設定されていますが、それを過ぎると権利が消滅してしまいます。

また、あまり期間が空いてしまうと必要書類の取得が困難となってしまうケースもありますので、還付金があることが分かった時点で早めに還付申告の準備をしておくことが大切です。

実際の手続きは税理士さんにやってもらうという方も基本的な還付の仕組みについては理解しておきましょう。

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