個人年金保険とは?掛け金の相場は?

国の年金制度だけでは、正直言って老後が不安…。そんな方におすすめなのが、生命保険会社などが商品として販売している個人年金保険です。

個人年金では、現在の収入の一部を保険料として積み立てておくことで、将来的に割り増しの金額を年金として受け取ることができます。

年齢的に若い人ほど、支払った保険料に対して将来的に返ってくる金額が大きくなりますので、余裕のある方は早めに加入しておくとよいかもしれませんね。

ここでは個人年金の仕組みや掛け金の相場について理解しておきましょう。

◎個人年金保険は「自分で、自分のために準備する保険」

老後の生活資金に備えるための制度としては公的年金制度(国民年金や厚生年金)がありますが、老後に増える医療費の金額などを考慮すると金額的に足りないというのが実情です。

老後に受け取れる金額を多くするためには、民間の保険会社などが運営している個人年金を利用するという方法があります。

個人年金とは要するに働けるうちにお金を保険料として積み立てておいて、将来のある時期に少し割増となった金額を受け取ることのできるサービスのことです。

個人年金は公的年金とは違って民間会社が運営しているものであるため、保険料の支払額や受け取れる年金の金額が加入する会社によって大きく異なります。

そのため、個人年金を選択するときには保険料の相場や保障内容の違いなどをよく吟味してから自分に最適なものを選択する必要があります。

◎個人年金の掛金相場の全国平均は「月額1万6千円」

個人年金の掛け金はどの保険会社の年金に加入するかによって大きく異なりますが、公益財団法人生命保険文化センターが発表しているアンケート結果によると、個人年金をかけている人の保険料の相場は月額1万6千円となっています。

この月額1万6千円程度の掛け金を必要な期間かけ続けたとすると、将来的に受け取ることのできる金額は1割り増しほどになるのが一般的です(毎月積み立てた掛金が、将来的にちょっと増えて返ってくるというイメージです)

「老後の資金は公的年金に加えて1000万円程度が必要」と言われるのが一般的ですので、ご自分の現在の年齢から考えてどのぐらいの金額を個人年金で用意する必要があるのかを計算してみると良いでしょう。

例えば、現在40歳の人が定年退職となる65歳に1000万円を受け取りたいのであれば、上記の例でいうと1000万円÷1.1÷25年間=約36万円(月額約3万円)を25年間かけ続ける必要があります。

◎個人年金の受け取り方はこの3つから選択!

必要期間かけ続けた個人年金は、将来的に受け取ることができるあなたのお金です。

ですが、受け取り方には以下の3つの方法がありますのでご自分のニーズに合わせて選択しなくてはなりません。

(1)一時金で受け取る
1つ目の受け取り方は「一時金」で受け取る方法です。

これは文字どおり満期となった金額を将来のある日時に一括で受け取る方法です。

一時金で受け取る方法のメリットはその後の資金の運用方法を自分で決めることができることです。

老後に事業を開始したり、自分で株式投資その他の方法で運用したりといったことを計画している方は一時金での受け取りが適しているでしょう。

ただし、一時金で個人年金の満期金を受け取ったときには税金の扱いに注意する必要があります。

一時金でお金を受け取ったときには「一時所得」として所得税が多額にかかる場合があるためです。

(2)確定年金で受け取る
2つ目の受け取り方は「確定年金」でお金を受け取る方法です。

確定年金というのは、「65歳になったときから20年間」といったように年数を指定して年金形式でお金を受け取る方法のことです。

例えば1000万円のお金を65歳になったときから85歳になるまでの20年間で確定年金で受け取るとした場合には、65歳以降毎年1000万円÷20年間=50万円を受け取ることができます。

確定年金での受け取りはいくら受け取れるかはっきりしているので老後の生活設計が立てやすいというメリットがありますが、寿命の年数は誰にもわからないため自分が生前に受け取ることができる金額が読み難いというデメリットもあります。

簡単にいうと想定していたよりも長生きしたときにはその長生きした年数は年金が受け取れなくなってしまう可能性があるということです。

(3)終身年金で受け取る
確定年金だと想定よりも長生きした場合には年金を受け取れない期間が生じてしまいます。

このような不都合を解消する形で登場したのが「終身年金」による受け取りです。

終身年金での受け取りを選択した場合、満期が来たらその後は死亡するまで年金を受け取り続けることができます。

ただし、終身年金は受け取り開始時の年齢が低いほど年金額は小さくなりますので、想定していたよりも早く亡くなってしまったという場合には、負担した掛け金の合計額よりも受け取った年金額の方が少なくなる可能性があるというデメリットがあります。

<まとめ>
以上、公的年金だけではなんとなく将来に不安を感じている…という方向けに、保険会社が運営している個人年金保険のサービスについて解説させていただきました。

個人年金保険は、公的な年金(国民年金や厚生年金)に加えて、自分で掛け金を追加で支払っておくことで将来にそなえるためのものです。

なんとなく勤務先にセールスに来た保険の営業マンにすすめられて個人年金に加入した…という方ももしかしたら多いかもしれませんが、不必要な保険に加入して毎月保険料を負担してしまっている可能性もあります。

まだ収入の少ない若いうちに多額の保険料を負担することは必ずしも適切とは限りません。

大切なのは自分の将来設計に基づいて最適な保険商品を選択することです。生命保険会社では現在入っている他社の個人年金のマッチングサービス(自分にあっているかどうかを診断してもらえるサービス)を行っているところもあるので、心配な方は相談してみると良いかもしれませんね。

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