ひと昔前までは、電卓をたたきながら手書きで確定申告書を作成し、自分で書類を税務署に提出しに行く…というのがオーソドックスなスタイルでしたよね。
ですが、近年ではマイナンバーカード制度の導入によってネットを通して行政手続きを行うことが簡単になっているため、ネットで確定申告を簡単に済ませてしまうという方も多くなっています。
この記事ではネットでの確定申告をスムーズに行うことができるように、全体の中がれや必要書類について初心者の方でもわかりやすいように解説させていただきます。
◎ネットで確定申告を行う場合のやり方を解説!
ネットで確定申告を行う場合のやり方を解説させていただきます。
入力作業は事前に要しておいた必要書類の内容に基づいて、e-taxの画面通りに行っていけば問題はありませんが、e-tax利用前に必要になる手続きがやや複雑なので注意してください。
・e-taxの利用可能期間を知っておこう
平成28年分の確定申告(2017年2月16日〜3月15日が申告期間です)では、e-taxは以下のように利用期間が定められています。
平成29年1月4日〜1月13日の間は、朝8時30分〜24時00分
平成29年1月16日〜3月15日までは、24時間いつでも利用可能
・一般的な性能のパソコンなら利用OK
e-taxを利用するためには当然ながらインターネット環境の整ったパソコンがなくてはなりません。
推奨の利用環境などはe-taxの公式サイトで説明されていますが、市販のパソコンで普通にネット接続がされていれば特に問題はないでしょう(ただし、外出先などで作業をするときには途中で回線が途切れてしまわないように注意してくださいね)
・準備するのはこの2つ!
e-taxを利用するためには以下の2つを事前に準備しておかなくてはなりません。
(1)マイナンバーカードまたは住民基本台帳カード
住民基本台帳カードがある人は次のICカードリーダーを使ってe-taxで本人確認を行いましょう。
もし住民基本台帳カードが手元にないときには区役所で500円を支払えば発行してもらうことができますよ。
マイナンバーカードを取得している人は住民基本台帳カードの代わりにマイナンバーカードを使って本人確認を行います(マイナンバーカードを取得した時点で住民基本台帳カードは返却することになります)
マイナンバーカードを使えば、これまでは電子申告を行うために必要だった「電子証明書」が必要なくなりますので、よりスムーズに電子申告を行うことが可能になりますよ。
(2)ICカードリーダライタ
e-taxに住基カードやマイナンバーカードを読み込むためにはICカードリーダライタという接続機器が必要になります。
アマゾンや楽天などでも2000円程度で購入することができますので、早めに準備しておきましょう(小さい家電屋さんなどでは置いていないこともあるので注意)
・16けたの「利用者識別番号」の取得
初めてe-taxを利用するという場合には、まずは「利用者識別番号」を取得しなくてはなりません。
e-taxの最初の画面で「利用者識別番後をお持ちでない方」を選択して個人情報を入力しましょう。
登録完了後に16けたの利用者識別番号とご自分で決めた暗証番号が発行されますので紛失しないように注意してください。
・電子証明書を登録して、住民基本台帳カードを認証する
その後、ICカードリーダライタを使って住基カードやマイナンバーカードを接続した状態でe-taxの「電子証明書の登録、再登録のみを行う方」というところを選択します。
暗唱番号(役所で住基カードやマイナンバーカードをもらうときに決めた暗証番号です)を入力し、利用者識別番号を入力すると「電子証明書」の登録が完了します。
ここまででe-taxを利用する準備が完了しますので、あとはe-taxの画面の指示と必要書類の記載内容から入力作業を行いましょう。
確定申告書の作成と提出が完了したら、当然税金の納付を行わなくてはなりません。
税務署から送られてくる納付書に税額を記入して金融機関や郵便局で支払いを行いましょう(コンビニ納付書があればコンビニでも30万円以内の所得税の支払いができます)
銀行引き落としの振替納税を利用している方の場合は確定申告さえしておけば自動的に所得税の引き落としがされます。
残高不足にならないように事前に銀行にお金を入れておくように注意してくださいね(振替日は4月20日です。祝祭日と重なる場合はその翌日となります)
◎電子申告と連動している会計ソフトが便利
最近では会計ソフトに初心者の方でも扱いやすい、安価なものが多くなっているので、パソコンが苦手な人であっても自分で経理を行うことが簡単になりました。
会計ソフトの中には日頃の経理処理だけではなく、確定申告(電子申告)と連動している機能を持ったものが多くなっています。
普段の入力作業さえしっかりしておけば、ほとんど時間をかけることなく確定申告まで完了することができますので、手書きで経理と確定申告書類を作っている…という事業者の方は会計ソフトの導入を検討してみると良いでしょう。
会計ソフトで有名なものでは弥生会計やJDL、勘定奉行などがあります。
最近ではクラウド機能を持った会計freeeなどのソフトも使いやすいですね(料金も数千円程度の月額制なので導入しやすいです)
◎ネットで確定申告を行う3つのメリット
パソコンが苦手…という方は無理して確定申告をネットで行う必要はありません。
ですが、将来的にはネット経由で確定申告を行うのが主流になっていくことは間違いありませんので、ネットで確定申告をすることにどういうメリットがあるのか?については理解しておいて損はありません。
ネットで確定申告を行うメリットとしては主に以下の3つが挙げられます。
・確定申告書類をわざわざ税務署に取りに行かなくてOK
手書きで確定申告を行う場合は、まずは税務署に確定申告書類を取りに行き、書類を作成したらさらに提出のために税務署に出向く必要があります。
都市部に住んでいる方であればそれほど大きな問題はないかもしれませんが、地方に住んでいる方や平日昼間は仕事で忙しいという方にとってはわざわざ税務署に出向くのは面倒ということも少なくありません。
ネットで確定申告をすればこうした面倒は避けることが可能になります。
・ネットの画面にそって入力作業をしていくだけで確定申告書類が完成する
ネットで確定申告を行う場合、税務署が運営している「e-Tax(イータックス)」というページを利用して入力作業を行っていくことになります。
手書きの場合は電卓を片手に一つ一つ計算を行いながら確定申告書類を作成していく必要がありますが、e-Taxでは基本的な数字を書類から入力するだけで自動的に所得の計算を行ってくれます。
数字の計算が苦手…という方もe-Taxの画面指示に従って入力作業を行っていくだけで確定申告書類が完成することができますよ。
・作成は24時間いつでも!提出もいつでも!
e-Taxには作成中の確定申告書類を一時保存しておく機能がありますので、途中で中断したい場合にも安心です。
24時間いつでも作業を行うことができますし、仕事のちょっとした合間に作業を進めていくこともできますので、まとまった時間がなかなか取れないという方も作業がしやすいですよ(手書きの書類をその都度机に広げる…というのはなかなか大変なものです)
提出に関してもネット経由でできますので、平日昼間は税務署に提出しに行くのが難しいという方もe-Taxを使ってみるメリットは大きいと言えますよ。
<まとめ>
今回は、確定申告をネットで行う場合について、基本的なやり方を解説させていただきました。
ネットの電子申告なら細かい所得の計算を自動でしてくれるほか、書類準備や提出のためにわざわざ税務署に出向く必要がないためとても便利です。
一方でマイナンバーカードの取得やICカードリーダライタの準備など、事前に準備をしておかないと手間取ってしまうということも珍しくありません。
確定申告は早めに準備を始めておくのがスムーズに最後まで終わらせるためには大切です。
年始の仕事始めがひと段落したら、必要書類の準備を少しずつでも進めていくようにしましょう。