雇用保険の受給資格を得るための条件

仕事を辞めることになった時に、安心して就職活動を行うために役立ってくれるのが雇用保険の失業給付です。

ただし、失業給付を受け取るためには一定期間以上は仕事を継続していなくてはならない「受給資格」が定められています。

また、離職時に勤務先から必要書類を受け取っておかないと本来であれば雇用保険(失業給付)を受け取れるはずなのに、受給の時期が遅れてしまうなどの不利益を受けてしまうこともありますので注意が必要です。

ここでは雇用保険の受給資格を得るための条件について確認しておきましょう。

近いうちに現在の仕事を辞める予定…という方は参考にしてみて下さいね。

◎失業保険の受給資格を知っておこう

雇用保険の失業給付を受けるためには受給資格を満たしていなくてはなりません。

受給資格については頻繁にルールが変更される傾向にあるので注意が必要です。

平成29年1月現在、失業保険受給資格のルールは以下のようになっています。

・自己都合退職の場合
離職の日以前の2年間に、被保険者期間が12ヶ月以上あることが必要です。

たとえば、2017年12月31日に退職したとすると、2015年1月1日〜2017年12月31日までの間に雇用保険の被保険者であった期間が12ヶ月以上なくてはなりません。

この場合、雇用保険に加入している期間があったかどうかだけが要件になっているので、必ずしも1つの会社に勤務し続けていた必要はありません。

・倒産などの会社都合による退職の場合
離職の日以前の1年間で、被保険者期間が6ヶ月以上あること。

会社都合の場合には自己都合の場合よりも要件が緩和されています。

・働く意思があること
離職理由が自己都合であるか、会社都合であるかによらず、退職した後にさらに職を探す意思があると見なされなくてはなりません。

具体的にはハローワークで求職活動を行うためにインターネットサービス等を利用したり、実際にハローワークや転職サイトを通して求職の申し込みを行っているなどの事実があるときに「働く意思がある」とみなしてもらえます。

逆に、海外に長期間滞在したり、大学に入り直したりといった事情がある場合には働く意思はないものとみなされ、雇用保険失業給付の受給資格はないものとして扱われてしまいます。

なお、実際にこうした事情(海外滞在など)は自分から申告しない限りはハローワーク側は余程のことがない限り知ることはできないのが普通です。

しかし、もし雇用保険の失業給付を受け取った後になってこうした「働く意思がない」と見なされる事情が明るみに出てしまったときには、次の不正受給と見なされてペナルティを課されてしまう可能性があるので注意しましょう。

◎雇用保険失業給付の不正受給とは?

雇用保険の失業給付は、現在は失業中であるものの、転職活動を行っている最中という人が生活費をまかなうために受け取るものです。

そのため、転職活動を行う意思がないのに失業給付を受け取っていたことがわかってしまうと「不正受給(法律上の根拠がないのにお金を受け取ること)」としてペナルティを課されてしまいます。

転職活動を行う意思がないと見なされるのは上記の海外滞在や学校への入学だけではなく、受給中のアルバイトや何らかの形で誰かがあなたが不正受給をしていることをハローワークに対して報告されてしまうことが挙げられます。

・不正受給がバレてしまうケース
不正受給がバレてしまうケースとして多いのは、いわゆる密告です。

前の職場で関係が悪くなった人が、偶然あなたがアルバイトをしているのを見かけた…などといった状況でハローワークにあなたがアルバイトをしていることを報告してしまう状況がケースとして多いでしょう。

逆に、密告以外の理由で不正受給がバレてしまうのは自らうっかりハローワークの職員さんに話してしまう(こないだ海外旅行にいってきたのですが…といったように)ことぐらいしか考えられません。

・不正受給で課されるペナルティ
不正受給となると支給中の失業給付はストップしてしまうほか、すでに受け取った分は返還するだけではなく、受給された給付金の2倍の金額を逆に国に対して支払わなくてはなりません。

<まとめ>
以上、雇用保険の失業給付を受け取るための受給資格や、不正受給がばれてしまったときのペナルティについて解説させていただきました。

本文でも解説させていただいた通り、雇用保険の失業給付を受給するためには、雇用保険の加入期間が12ヶ月以上なくてはなりません(自己都合退職の場合)

雇用保険に加入するためには勤務先企業があなたを雇用した時に必要な手続きを完了していなくてはなりませんので、万が一雇用保険の加入漏れということになるといざ失業時になって「失業給付が受け取れない…」という事態に陥ってしまう可能性があります。

もちろん、法律上の要件を満たしているのであれば雇用保険にさかのぼって加入をすることも可能なのですが、退職後になって元の勤務先企業と連絡を取り合いながらこうした手続きを進めていくのにはストレスがかかるものです。

失業給付は生活費の心配をすることなく安心して転職活動を進めていくために受け取るものですので、実際に退職をする前に自分が受給資格を満たしているかどうかを確認しておくことが大切です。

「近いうちに退職することになるかも…」と考えている人は、事前に勤務先の人事総務担当者に雇用保険の加入状況(聞きにくい場合には労働基準監督署などに相談することもできます)を確認しておくようにしましょう。

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