確定申告で生命保険控除を受ける方法

生命保険会社に対して支払った保険料は、確定申告で「生命保険料控除」として申告することで所得税や住民税を安くしてもらうことができます。

生命保険は自分にどのような保障が必要なのか?を考えて選ぶのが基本ですが、支払った保険料が一定額を超えると節税対策としても使えるという特徴があるんですよ。

せっかく負担している保険料があるなら、しっかりと確定申告時に申告して税金を安くしてもらいましょう。

確定申告で生命保険料控除を受けるためには、「控除証明書」という書類が必要になるので、紛失してしまわないように注意してくださいね。

ここでは生命保険料控除でどのぐらい税金が安くなるのかや、実際に確定申告をおなう時にどのような手続きを行う必要があるのかについて解説させていただきます。

◎生命保険料控除を受けるためには控除証明書が必要

生命保険料控除を受けて所得税や住民税の金額を安くしてもらうためには、保険会社が発行してくれる「控除証明書」を確定申告書に添付しなくてはなりません。

ただし、サラリーマンの人は勤務先の会社で年末調整を行う時に生命保険料控除証明書を提出しておけば確定申告を行う必要はありません。

控除証明書は、保険料を支払った先の生命保険会社が毎年10月〜11月ごろの時期に自宅に郵送してくれます。

保険に加入したのがその時期以降である場合には、保険加入の手続きが完了し次第、控除証明書を発行してくれます。

なお、生命保険料控除を受けられるのはその年の12月までに加入して保険料を支払った生命保険についてのみです。

◎生命保険料控除で税金が安くなる仕組み

生命保険料控除は、1年間に支払った生命保険の保険料の金額によって、一定金額を所得の金額から差し引きしてもらえる制度のことです。

生命保険料控除によって所得の金額を低く抑えることができれば、所得税や住民税の金額を安くすることができるため節税効果があるといわれます。

生命保険は積み立てタイプのものを選択すれば定期預金と同じように貯蓄に使えることが多いので、貯金をしながら節税効果を得られる方法として人気があります。

 ◎生命保険料控除証明書を紛失してしまったら?

控除証明書は10月〜11月で、確定申告を行うのは翌年の2月〜3月ですから、かなり期間があります。

もしその間に控除証明書を紛失してしまったような場合には、生命保険会社のコールセンターなどに電話をすると再発行をしてくれます。

再発行を依頼した場合には早ければ数日〜1週間以内に自宅に郵送してくれることが多いです。

 ◎生命保険料控除でどのぐらい税金が安くなる?

生命保険料控除の対象となる生命保険には、「一般の生命保険」「介護医療保険」「個人年金保険」の3種類があります。

1年間でしはらったそれぞれの保険の保険料について生命保険料控除の金額を計算します。

いくらの控除を受けられるかは支払った保険料の金額によって異なり、以下のようになっています。

20000円以下:支払った保険料の全額

20001円〜40000円:支払った保険料の金額÷2+10000円

40001円〜80000円:支払った保険料の金額÷4+20000円

80001円〜:40000円

上記の控除額を3種類の保険について計算して合算した金額が生命保険料控除の金額ということになります。

例えば、一般の生命保険の保険料を年間10万円、個人年金保険の保険料を40000円支払ったという人の場合であれば、

一般の生命保険料控除:40000円

個人年金保険料控除:40000円÷2+10000円=30000円

合計で40000円+30000円=70000円だけ所得から控除してもらうことができます。

注意点としては、この保険料控除の金額(70000円)そのまま税金の金額が安くなるということではない点です。

差し引きしてもらえるのはあくまでも「所得の金額」ですので、実際に安くなる税金の金額はそ「差し引きしてもらった所得の金額」に税率をかけた金額になります。

例えば、所得税の税率が5%であった場合には70000円×5%=3500円だけ税金が安くなることになります(実際の計算はもう少し複雑です)

 なお、所得税の税率は所得の金額大きくなるほど高くなります。

平成28年度の所得について適用される所得税率は以下のようになっています。

所得額195万円以下:5%

所得額195万円超〜330万円:10%

所得額330万円超〜695万円:20%

所得額695万円超〜900万円:23%

所得額900万円超〜1800万円:33%

所得額1800万円超〜4000万円:40%

所得額4000万円超〜:45%

<まとめ>

今回は、確定申告で生命保険料控除を受ける方法と具体的にどのぐらいの節税効果があるのかについて解説させていただきました。

生命保険料控除の金額は、支払った保険料がすべて控除になるというわけではないので注意しましょう。

なお、サラリーマンの方の場合は生命保険料控除を受けるためには必ずしも確定申告は必要ではありません。

勤務先の会社で行ってくれる年末調整の手続きだけでも生命保険料控除証明書をきちんと提出しておけば必要な手続きを行ってくれますよ。

個人事業主の方は生命保険料控除を受けるためには必ず確定申告が必要になるため、忘れないようにしてくださいね。

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