自賠責保険の補償内容を知らないと大変なことになる

自賠責保険は車やバイクを所有する人が必ず入らなければならない保険です。

自賠責保険は道路交通法で定められた制度ですので、加入しなければ罰則が科せられますが、知らないと大変なことになるというのはこのことではありません。

自賠責保険の補償内容を知らなければ大変なことになるということです。

では、自賠責保険の補償内容とはどのような内容なのでしょうか。

<自賠責保険の補償内容とは>

〇「他人」にのみ保障される保険

自賠責保険とは「他人」にのみ賠償される保険です。

この他人というのは、車の運転手と車を所有している人以外ということになります。

わかりにくいと思いますので、ここで一つ例を出してみましょう。

父親の所有する車を子供が運転していて事故を起こして子供が怪我をした場合は、

運転手にあたりますので子供の補償はありません。

また、同じ車で、子供が運転している車に父親が同乗しており、父親が怪我をした場合も、車の所有者が父親のため、父親に対する保障はないのです。

このことを知らずに任意保険に加入していなければ大変なことになります。

自賠責保険では補償される内容に制限があります。

自賠責保険は「被害者」に最低限の補償をするものですので、加害者となる車の所有者や車の運転手の補償はないのです。

つまり、対人補償のみになります。

対人補償のみということは、「物」に対しての補償もありません。

事故を起こして家屋に突っ込んだ、ガードレールを壊した、道路標識を壊した、もちろん自分の車も壊れている状態ですから、「物」に対しての修理が必要になります。

ですが、自賠責保険では「物」に対する補償がないため、修理費用は全て自分で用意しなければなりません。

ガードレールを壊した場合、壊れた箇所や長さにもよりますが、1つの区画で30万円とも言われています。

道路標識や家屋となると更に高額になるでしょう。

また、自分の車も修理したいとなると金額はどんどん加算されていきます。

これら物にたいする全ての修理費用を自分で負担しなければならないのです。

もちろん、自損事故も同様に何の補償も出ません。

ですので、運転手や所有者、同乗者、対物、自賠責保険ではカバーしきれなかった対人への賠償などの補償をしてくれるのが任意保険ですので、自賠責保険に加入すると同時に任意保険の加入が必要になるのです。

〇自賠責保険の補償内容と金額

では、自賠責保険でどんな補償がありどれくらいの金額を補償してくれるのか見てみましょう。

・死亡時→一人につき3,000万円まで(慰謝料や葬儀費用、逸失利益などを含む)

・死亡するまでのケガ→一人につき120万円まで(治療費、慰謝料、休業補償、文書料)

・後遺障害→一人につき75万円~4,000万円

金額の差は障害の等級によります。

神経系統などに障害があり常に介護が必要な場合は障碍者1級とみなされ

4,000万円が支払われます。

2級が3,000万円となります。

これ以外の障害の場合は1級で3,000万円、その後等級が下がるごとに

金額も下がり14等級で75万円になります。

・ケガ→一人につき120万円まで

この金額は慰謝料、治療費、休業補償などをふくみ、慰謝料と治療費は1日

あたり4,200円で計算され、休業補償は1日あたり5,700円で計算されます。

もし、休業補償が1日あたり5,700円を超えることが明確な場合は最高限度

19,000円となります。

この内容が自賠責保険の補償内容と保障額になります。

自賠責歩家の場合は1人あたりの事故の補償額として計算されますので事故を2回起こした場合も一人あたりの補償額の変更はありません。

つまり、自賠責保険加入後に事故を2回起こしたとします。

その自己で被害者がケガを負った場合は1回の事故で120万円まで支払われますので、2回の事故ということで合計240万円が支払われるということになります。

また、被害者が複数台の車両で支障した場合、加害車両の台数分の補償を受け取ることになります。

つまり、横断歩道を歩いていた被害者が最初にAという車にはねられ、すぐにBという車にはねられて両方の車両の過失によって死亡した場合は、2台の車両から賠償金を受け津取ることになります。

死亡の場合は3,000万円ですので、2台分ということで6,000万円を受け取ることになります。

<自賠責保険が支払われないこともある>

自賠責保険が支払われない場合というのは「加害者に責任が全くない場合」と「自損事故」

「被害者が他人でない」「自動車の運行中ではない」、これらの場合は自賠責保険が支払われません。

自損事故についてはご説明しましたが、まず「加害者に責任が全くない場合」というのは、

例えば車を運転していた運転手が信号待ちで車を停止させている時に居眠り運転をした車が追突して居眠り運転をしていた運転手がケガをした場合は、居眠り運転をしていた運転手に過失があるため自賠責保険の支払い義務はなくなります。

次に「被害者が他人ではない」ということですが、これは車を所有しているものが運転をせず友人などに運転をしてもらって同乗していたとします。

その時に友人が自損事故を起こした場合、車の所有者が死傷しても自賠責保険の適用はできません。

これは、運転手と車の所有者にあたるため適用されないということです。

最後に「自動車の運行中ではない」ということは、駐車場などに車を停車させている時に駐車場で遊んでいた子供などが停車している子供にぶつかって死傷した場合は車の所有者には何の過失もないため自賠責保険の支払い義務はなくなります。

このように、自賠責保険は事故を起こせばいつでも適用されるわけではありませんので、しっかり覚えておきましょう。

まとめ

自賠責保険の補償内容を見て何を感じたでしょうか。

運転手や車の所有者、物には全く補償がないということです。

また、被害者には最高でも死亡時で3,000万円、後遺障害でも4,000万円までしか出ないということです。

これ以上の賠償責任が生じた場合は、足りない賠償金を自分で用意しなければなりません。

そこをカバーできるのが任意保険です。

任意保険や運転手、同乗者、所有者、物、つまり対人・対物に対して全て補償できます。

また、補償金額も対人・対物は無制限となっている保険に加入する人がほとんどで、任意保険会社もその内容を勧めてきます。

これは、対人・対物に制限をつけてしまうとそれ以上の支払義務が生じた時に自分で用意しなければなりませんし、賠償金額が高額になりやすいためです。

自賠責保険だけではなく、必ず任意保険も同時加入しておきましょう。

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